【雲の切れ間から光射す】7P
「全部脱いだのか……」
「っ、……ぬ、脱いで待ってろって言ったの、アンタだろ!」
「誰も、全部脱げとは言ってない」
確かにそうだけど。
「……悪かったな」
「フ……」
ほんの僅かだけど、ミンクが声を出して笑う。初めて見る表情に驚いていると、ミンクは真顔になって、胡坐座りしている俺の正面に膝立ちした。
指を揃えた左手を右胸の上に置き、静かに俺を見おろす。
「……私とともに歩んでくれると言う優しき魂よ。私はお前を、永遠に愛すると誓う」
そして、言葉を失っている俺の前髪をかき分け、額に唇を落とした。
……ミンクが俺を受け入れてくれた。一緒に居ると言ってくれた。
体の奥底から何かが沸き上がってきて胸を満たし、唇を戦慄かせる。
開けていられなくなって閉じた目から涙が零れだして頬を伝い、それをミンクの舌が舐めとっていく。
肩にごく軽く力が加わったのを感じ、気が付いた時には、すでにマットの上へ仰向けに寝かされていた。
重なるように倒れてきたミンクが、体を支えるように俺の頭の脇に肘をついたのは、体重を掛けないための気遣いらしい。
俺に触れるミンクの手つきも、プラチナ・ジェイルでの暴行が別人の仕業だったみたいに優しかった。
額やこめかみに唇を押し当てながら、片手の指で髪の生え際を混ぜ、もう一方の手の掌で体の輪郭をなぞるように隅々まで撫でていく。途中、くすぐったいような、肌がざわめくような感じのする場所を指が掠めて、どうしても我慢できずに身を捩じらせてしまったけど、ミンクの手が幾度もそこを這ううちに、むず痒さが甘く痺れる快感に変わっていった。
触れられた何処も彼処もが気持ち良くて、自然と鼻に掛かった声が漏れてしまう。下半身の一点に血が集まっていくのを感じる。
次第に壊れ物のように大切に扱ってもらうだけでは物足りなくなってきて、俺はミンクの首に腕を回して抱き寄せ、噛みつくようなキスをした。ミンクがそれに応じて舌を絡めてきたので、それを強く吸いながら、徐々に腕を滑らせて穿いているズボンの中に差し入れる。
探ってみると、ベルトも抜かれていたし前立ても寛げてあったから、そのまま下ろそうとしたのだが……上手くいかなかった。質量と硬度を増したミンクのモノに、下着が引っ掛かってるみたいだった。
どうにかして外そうと下着の中に手を入れ、熱く脈打つソレに手を添えてゴソゴソやっていると、不意にミンクが唇を離して俺の顔を覗き込んだ。
「ったく……」
「……ん、だよ」
照れ隠しに口を尖らせ、睨みつける。
何を言われるかと身構えたが、ミンクは目を細めて俺の頭を一撫でし、体を起こすと下着もろともズボンを脱ぎ捨てた。釣られて半身を起こしていた俺は、ミンクの性器を思いがけず間近に見てしまって、つい喉を鳴らしてしまう。
凝視しては悪いと思いつつも目が離せなくて、ちょっと迷った末にミンクの足の間に入り込んで先端を口に含んだ。
「……おい!」
頭の上から降ってきた焦りぎみの声に少し愉快な気分になりながら、俺は限界一杯まで深く咥え込んだ。舌で包みながら口を上下させるとソレは更に張りつめて反り返り、先走りの汁が溢れてくる。口の端から垂れた唾液も一緒に啜り上げると、耳を覆いたくなるほどいやらしい音がして、より一層興奮を煽った。ミンクの息もこころなしか荒くなってきている。
押し殺した呻き声が1つ聞こえたかと思ったら、ミンクは、俺のことは好きにさせたまま、脱いだばかりのズボンを手繰り寄せて何かを探りはじめた。
気になって上目づかいに訊ねようとしたが、いきなり腿を掴まれ、体勢を変えられてしまう。
「なっ、ちょっ!? 何すんだよ!」
「いちいち騒ぐな、ガキか」
そうは言われても、片足を持ち上げられて普段は隠れている場所を露わにされたら、誰だって慌てる。しかもミンクは、その足を肩に担いで下半身の自由を封じると、手にしたクリームケースから軟膏のようなものを大量に指で掬って、後腔へ塗り籠めてくる。
「……ぅわ!!」
ヒヤリとぬるりに同時に襲われ、電流を流されたように背筋が跳ねた。反射的に窄めてしまったソコを、ミンクの指があやすように撫でる。空いた手で前を扱かれて力が抜けてくると、その隙に1本の指が中に侵入ってきた。
久方振りの異物感に肌を粟立てる俺の様子を窺いつつ、ミンクは時間を掛けて丁寧に内壁を解してくれた。指を増やす時も強引に挿入することはなく、傷付けまいとする気持ちが伝わってきて、それがとても嬉しかった。
「も……大丈夫、だから……」
ある程度まで柔らかくなったところで、俺はミンクを制して先を強請った。途中から前を弄る手が止まり、ただ握られるだけになっていたこともあって限界だった。
我慢していたのはミンクも同様だったみたいで、指が引き抜かれるとすぐに熱い塊が押し当てられ、一気に奥まで貫かれた。
「ん、……ぅああぁ!!」
もとより抑えるつもりがなかったのもあって、引っくり返った悲鳴のような声を上げてしまう。少しの痛みと激しい快感が脳を焼いて、意識が白く飛びかけた。
ミンクが荒い息を吐きながら「大丈夫か?」と訊いてきたけど、首を縦に振って応えるのが精一杯だ。それでも言わんとするところは分かってもらえたようで、ミンクは俺の腰を抱えて位置を直すと、前のめりに体を倒して突き上げはじめた。
「ふっ…はっ……、はっ……」
「ぁあ、……あっ、……ぁあ!」
2人とも飢えた獣みたいだった。ミンクは汗を滴らせながら、箍が外れたように容赦なく腰を打ちつけてきて、俺も、上手く動けないなりになんとか受け入れようと夢中で腰を振った。
肉を叩く音が体の芯まで響く。律動に合わせて、俺は嬌声を上げ続けた。
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